こんにちは。妖怪マンガ大好きサニーです。
「なんか面白いマンが無いかな?」といつも探しているあなたに「えびがわ町の妖怪カフェ」を紹介します。
とある理由でいなかの叔父に預けられることとなった少女と、居酒屋兼カフェを経営するそのおじとの少し不思議な日常をえがいたマンガです。
なんといっても主人公の9歳の少女「高梨(たかなし) まな」がかわいくて見守ってあげたくなる。
「まな」を優しく見守る「カフェ ようけ」の店主「高梨 佐吉(たかなし さきち)」との日常は読んでいてとてもほっこりします。
妖怪といってもこわい印象はまったく無くて、ホラーっぽさはまったくありませんので、こわい作品が苦手な方でも読めますのでご安心を。
料理の描写がとてもおいしそうで、それを主人公たちが一緒に食べているシーンも魅力のひとつ。
物語はテンポよく進み、ところどころに仕掛けられた伏線もあり、どんどん読み進められますよ。
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- 「少女」
- 「おじさん」
- 「妖怪」
- 「いなか」
- 「ノスタルジー」
- 「料理」
- 「すこしふしぎ」
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これらのジャンルのマンガが好きな方にはとてもオススメです。
えびがわ町の妖怪カフェ 登場人物

1.高梨 まな (たかなし まな)
妖怪のことがみえる少女。小学3年生の9歳。両親と東京に住んでいたが、その体質から家族の間とうまくいっていない。
おとなしく、素直で優しい性格からか、妖怪たちにとても好かれる。酢の物やショウガなど渋い食べ物が好み。おじさんである佐吉と暮らすうちに徐々に佐吉に心を開き、おじさんのために何かしてあげたいと思っている。
2.高梨 佐吉(たかなし さきち)
「居酒屋 カフェ よっけ」店主。まなの父親の遠縁にあたる親戚。独身。40代なかば?(推測)店に立つときは甚平にを着て手ぬぐいを頭に巻いている。料理の腕は一流だが店はあまりはやっていなさそうな様子。
妖怪関係の知識にくわしいからか、まなの父から夏休みの間だけ預かって欲しいと依頼され、9歳の少女との同居が始まることになる。とある柄の着物を着た女性を探している。
3.咲 (キツネの妖怪)
油あげのにおいにつられてさきちの店「よっけ」に訪れた女子高生の姿をしたようかい。まなの年上の友達でもあり、姉のようなよき理解者となっていく。すうっとした狐美人が理想。
4.うめこ(座敷わらし)
まなのおばあちゃんの家に住み着いているざしきわらし。「甘くて黄色くて冷たいもの」が食べたくてまなに声をかけ、「カフェようけ」に訪れる。高梨家の血縁でもある。
5.雅太郎(がたろう)カッパの妖怪
小学生くらいの男の子。好物きゅうりの食べ方を相談しに「よっけ」に訪れる。夢枕に立ったりポスターを作ったりしてお供えをおねだりすることに余念がない。
えびがわ町の舞台は岐阜県揖斐川町
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上田信州/白泉社
えびがわ町の舞台となっているのは岐阜県西部(西濃地方)に位置する揖斐川町という町。
「田舎」という言葉がぴったりあてはまる、自然がいっぱいところです。マンガの中でまなたちが訪れた場所を紹介していきます
1.谷汲山華厳時
単行本1巻 第3話の舞台。
「たにぐみさん」の愛称で親しまれる当山は延暦十七年(798)に創建され、正式には「谷汲山華厳寺(たにぐみさんけごんじ)」といい、その山号と寺号は醍醐天皇より賜りました。
その後は朱雀天皇より鎮護国家の道場として勅願寺に定められ、花山法皇、後白河法皇を始めとする歴代の皇室、朝廷からも帰依厚く、いにしえより観音信仰の霊験あらたかな名刹寺院として千二百年余の歴史を誇ります。
また日本最古の観音霊場「西国三十三所観音霊場」の第三十三番札所で結願・満願のお寺として知られ、春には桜、秋には紅葉の名所として賑わいをみせます。
谷汲山華厳寺HPより 引用
駐車場から参道をあるくだけでもいい運動になりますし、春は桜、夏は避暑、秋は紅葉、冬は初もうで。
いつ訪れても楽しめるとても歴史のあるお寺で、観光スポットとしても人気の場所です。
作中でもでてきますが「戒壇めぐり」は本当に真っ暗で、なかなかスリルがありますので是非ともお試しくあれ。
2.夜叉が池
単行本1巻第 第5話の舞台。
第6話の舞台。揖斐川の上に住む竜神いるとされる池。地元民の多くは名前を知っているが、行ったことが無い人の方が多い。なぜならかなり遠いから。
そして僕も行ったことが無いので興味のある方は口コミをどうぞ
3.横蔵寺
単行本2巻で第12話の舞台。
803年(延暦22)に伝教大師最澄(サイチョウ)が創建したと伝えられる寺。22体の国の重要文化財が安置され、多くの絵画、書籍を蔵していることから”美濃の正倉院”と呼ばれている。中でも200年前に即身成仏したという妙心法師の舎利仏は有名。秋になると周囲の山々や境内に植えられた木々が美しく色づき、紅葉の名所となる。
秋の紅葉の時期にはライトアップされます。穴場スポットなので人はそんなにいない事が多かった。
ミイラがいることでも有名なお寺。幼いころに「ミイラのとこに置いてくるぞ!」と親に脅された記憶があるが、包帯をグルグル巻いたミイラがなんで日本にいるんだろう?」と不思議に思っていました。
4.大垣城
単行本4巻 第17話の舞台。
関ヶ原の戦いで石田三成の居城となったことで有名。水都大垣の象徴的存在でもある。
えびがわ町の妖怪カフェの中では姫路城天守に住む美しい大人の女性の姿をした「おさかべ姫」と出会った場所。
えびがわ町の妖怪カフェの世界観
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上田信州/白泉社
実際に存在する場所を舞台としていることと、セリフも実際に岐阜県の方言が飛び交っていて「リアリティ」が感じられます。方言指導の方も監修されており、地元出身の僕が読んでも自然で違和感はありません。
「カフェ」というタイトルからも「料理」が要素の一つなのですが、これが作り方から具体的にわかりやすく描かれていて、「ちょっと食べてみたいな」と思わされます。
おいしいごはんを人間と妖怪がなかよく食べるシーンも「えびがわ町の妖怪カフェ」の特徴のひとつで、これがテーマともつながっている大事な要素だと考察しました。
えびがわ町の妖怪カフェのテーマ

2巻のあとがき漫画によりますと
転勤族だったので東京その他を移動しながら育ちました。社宅育ちなので地元のイメージがなくいわゆる「田舎」というと毎年夏休み長く滞在した揖斐の印象が強いです
まだ遊泳禁止でなかった頃の揖斐川で泳いだりゴムボートに乗せて貰ったり釣りをしたり庭でトンボやせみを捕まえたり(中略)いわゆる「いなか」がある方にもそうでない方にもお楽しみいただけるようのんびりお届けできればいいなと思っています。
上田信州 えびがわ町の妖怪カフェ 2巻 より引用
と書いてありました。
日本人の心の中にある原風景としての「いなか」。「あーこういうのいいなー」という田舎の風景がおおく描かれています。妖怪がいてもおかしくないくらいの「いなか」が舞台としてストーリーに溶け込んでいます。
- 「妖怪とのふれあい」
- 「少女とおじさん」
- 「いなかのたのしさ」
- 「居酒屋料理」
これら4つを「えびがわ町」という架空の街を通じて描いているのですが、「やさしい心のふれあい」というのテーマかな、と感じています。
追記 ネタバレあり
「ふれあい」は誰と誰のふれあいなのか?と考えてみたところ、それはやはり主人公である「まな」と「佐吉」それぞれの交流を絵がている漫画です。
この2人の共通点は「傷ついている」ということ
まなはその体質によって「自分が原因で両親がケンカをしてしまう」「おとうさんとおかあさんの仲が悪いのは自分のせい」と幼いながら気づいています。
1巻冒頭で佐吉の手が近づいたときに、「ビクッ」と目を閉じて怯える様子から、暴力もふるわれていたかもしれません。
佐吉は子供を亡くしています。その事実だけでもう深い傷ですし、3巻ラストでは「死にたかった」とまで言います。
「傷ついた心」を癒すための舞台として「田舎の原風景」があるとしたら、それは汚れてしまった心をきれいに洗い流しています。
そして料理をみんなで食べることによって、お腹の空腹と心の空白を埋めているのだと考えました。
えびがわ町の妖怪カフェの感想

本屋さんで目にした「岐阜が舞台の、優しい物語」というキャッチコピーが気になって購入した「えびがわ町の妖怪カフェ」ですが、これまで読んできた「妖怪モノ」とは一味ちがう作品でした。
「妖怪」という存在からはどうしても「ホラー」要素や「オカルト」的な要素が入ってきたりするものですが、そんなことはまったくなくて少女漫画的なタッチでするすると読みすすめられました。
つぎつぎと登場する妖怪たちは個性的で魅力的なキャラクターばかり。でもそんな妖怪たちともフレンドリーに交流するまなに妖怪も心を開いていく様子がまたほっこりします。
妖怪がいてもおかしくないような田舎で過ごす「ひと夏のものがたり」がどうなっていくのか楽しみです。
まとめ
主人公である「まな」の成長と明るさ、やさしさに癒されるマンガです。絵のタッチも
これからどんな料理が出てくるのか、佐吉の求めているモノは一体何なのかがすごく気になります…。
岐阜が舞台のマンガってだけで無条件におススメです!(強引)
以上!サニレポでした!