音楽

Hania Rani ハニャ ラニのアルバム「Esja」について インタビュー文字起こし

Hania Rani

図書館で雑誌「CDジャーナル」を読んでいて出会ったアーティスト「Hania Rani」(ハニャ ラニ)さん

2019年に行われたピアノの祭典「PIANO ERA」で初来日を果たし、ピアノ愛好家の間では要注目の存在だと思う。(高木正勝氏や Goldmund、アントニオ・ロウレイロ・トリオ等出演。行きたかった)

以上に挙げたアーティストが好きだったら、ハニャ ラニさんは絶対に聴いてみるべき。

ビル・エヴァンズ、モンク、バド・パウエルといったジャズの巨匠たち、坂本龍一、haruka nakamuraといった日本の美しい音楽が好きな方にも非常におすすめできる。

繰り返されるアルペジオ、シングルノートでのメロディーの連打がとてもきもちがいいのだ。

 

Hania Rani のアルバム 「Esja」は純粋なピアノ好きにとって待ち焦がれていたアルバム

ジャズは好きだけれど、ピアノ・ソロだけのジャズ・アルバムで好きになるのはなかなか無かった。

長く聴いていたのはキース・ジャレット The Melody At Night, With You くらいだった。

もちろん他にも「いいな」と感じるアルバムのあるけれど、2020年になって初めて出会った「Esja」は、ドラマチックでエネルギッシュで、起承転結があり、まるで映画を観ているような、物語性を感じるピアノ・ソロだ。

シンプルなメロディー・ラインもあれば、複雑な曲もあるけれど、全体的にとても重厚感があり、高揚感がある。

なにかはわからないけれど、胸の奥の方でなにか僕のなかのやわらかいものが掻き立てられる。

「Glass」のミュージックビデオにはポーランドと思わしき都市の映像が映っている。雪が舞い散り、風が吹き、どことなくうらぶれているように見える。

ポーランドという国については僕は何もしらない。ので調べてみる。(調査中)

アップライト・ピアノでの演奏を拾うマイクは3本で、鍵盤やアクションの小忙しい音もリアルに拾っている。

ヘッドフォンでしっかりと集中して音楽を聴く、という行為を本当に久しぶりにした。

ぜひ聴いてみてください。

ハニャ・ラニさんのインタビューをご紹介

調べてみたら、JーJAZZNETさんがハニャ・ラニさんのインタビューをされていました。(取材協力:ポーランド広報文化センターさん)

 

以下、書き起こし。10回以上聴き直して、数え切れないくらい一時停止をと再生を繰り返してようやくできました。

(彼女はポーランド語で話していると思われます。通訳の方が話している内容を書いています。読みやすいように、多少の加筆修正を加えていますが、出来る限りインタビューの内容をそのまま伝えています)

https://www.jjazz.net/player/?prog_num=J-1505&category=pick-up

Q1 まず初めに、ピアノエラについてきかせてください。日本で初めて演奏してみてどうでしたか?感想を聞かせてください。

まず、ホールにとてもびっくりしました。めぐろパーシモンホールすごく立派なホールで、あんなに大きなホールだと実は想像していなかったので、まずそれが驚きでした。

前日の土曜日、11月30日に同じピアノエラのコンサートに行きまして、ホールの感じを見ると同時に、ここで自分が明日演奏するんだ、とイメージしていたのですけれども、音響も素晴らしいですし、オーガナイズの人たち、主催者の方々、音響の方々、お客さんをに至るまで、すごくみなさんあたたかくて、初めて日本に居るのにもかかわらず、みなさん優しくしてくださって、それも驚きでした。

コンサートが終わったあとに、CDを買ってくださったり、サインください、などと話しかけられたりとか、そういうのもすごく嬉しくて。とにかく驚きの連続でした。

Q2 サウンドエンジニアも一緒に来日したそうですが、その役割や、どのようなオーダーをされたか、詳しくお聞かせください。

サウンドエンジニアは「アガタ」という人なんですけれども、数年前から一緒に彼女と仕事をしているんですけれども、私の作品はピアノ・ソロなんですが、ピアノ1台だけで演奏するのではなくて、層を増やした演奏形態をとっているので、それを様々な場所、世界中で同様に再現して実現するためには、自分ひとりではなかなか難しいんです。

その場の、例えば目黒パーシモンホールであれば、そこのサウンドエンジニアの方々の力を借りることもできるんですけれど、毎回毎回同じ音をお願いするのも大変ですし、申し訳ないので、そこでアガタさんと、数年前から一緒に仕事をしています。

彼女とは音楽の好みも合いますし、阿吽の呼吸で、自分が何をしたいかというのをわかってもらえるので、すごくいい仕事が一緒に出来ているなと思っています。

Q3 ファースト・アルバム「Esja」について。UK マンチェスターの名門レーベル ゴンドワナからリリース。経緯をおしえてください。

以前から、ゴンドワナから出しているアーティスト達のことは好きで、追いかけていて、インターネットやCDショップ、レコードストアなどに通って追いかけていたんですけれども、ゴーゴー・ペンギンとか、モルティーフォカルテットとか、いろんなアーティストが好きで、聴いていたんですが、このレーベルと、もし仕事が出来る機会があったら素敵だな、と思って本当にダメ元でデモを送ってみました。

それで、ゴンドワナの公式サイトのメールフォームには「返事は期待しないでください」と書いてあったので、多分だめだろうなと思っていたんですけれども、なんと次の日に返事が来まして、「ぜひロンドンに来てください」というふうに書かれていて、それで次の週に、ロンドンに飛んで行ってですね、彼らと会って、この「Esja」を発売する経緯になりました。

ゴンドワナレコード HP

https://www.gondwanarecords.com/

Q4 今回のアルバム(Esja)のコンセプトやテーマはありますか?

これは実は私が持っていたコンセプトでは無くて、レーベルの方が決めたものというか、偶然起こったことなんですけれど。

2つデモというか、音源を送って、一つはピアノ・ソロだけのもの、もう一つはヴォーカルが入っていたり、管弦楽や様々な楽器と合わせたものの2種類を送ったんですけれども、レーベルとしてはピアノ・ソロだけのものを出したいということで、話し合いが始まったんです。

2枚目の方の、ヴォーカルや管弦楽が入った方の音源からも、色々インスピレーションだとか私がもってきたりだとか、ピアノ・ソロと言いながらも、私が送った1枚のものだけではなくって、彼らの方で順番を組み替えたり、選曲をしてくれて出来上がったのが「Esja」というアルバムでした。

様々な時代の私が作った作品を取り入れていて、例えば3年前に私が作った曲や、古いものから新しいものまで色々入っているんですけれども、彼らの思う通りにですね、一つに並べてみると、案外なにか物語っているような、いい並びというか、一つのまとまった作品になっていて、自分としても驚きました。

ひとつ、コンセプトというかテーマとして、私が見出したのものとしては、ピアノの特徴的な響きだと思います。

グランドピアノではなくてアップライトピアノを使っていたので、グランドピアノよりも響きがちょっと柔らかい、ピアノタッチやペダルの音などの雑音が意図せずして録音されてしまっていて、それがまた面白い響きを生み出しているなと感じました。

Q5 アップライトピアノの使用やアルペジオの多用などミニマムな奏法、独自な演奏が生まれた背景があれば教えて下さい。

そうですね、元々ミニマムな演奏というか、音楽が好きというのがまず大きくあって、私達がいま暮らしている世界というのは、いろいろな雑音があって、雑然としていて、意識しなくてもいろんな音が入ってきます。

その中で、自分の演奏はできるだけ少ない音を使って、様々なことを伝えるというのを目標として持っているので、必然的にそういうミニマムな演奏になっていくのかなと思います。

コンサートのときは、もうちょっと自分もエネルギーがありますし、楽器が違ったりもしますので、ちょっと違って聞こえたりもするんですけれども、できるだけ少ない音で、音の引き算をしながら伝えたいことを伝えていくというのは、常に変わらないコンセプトではあります。

Q6 アップライトピアノというと、スワヴェク・ヤスクウケの存在がありますが、どんな関係があるか聞かせてください。

 

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スワヴェク・ヤスクウケのことは学校時代から知っていまして、ブダベスクにある音楽学校からの知り合いといいますか、音楽学校は12年制で、小中高と12年間あって、スワヴェクが卒業した時、私はまだ小さいこどもだったんです。

私が学校に居た頃から彼はすごく才能があって、「この人はきっとすごいピアニストになるんだ」と感じていました。

で、そのまま時が経ち、ワルシャワで、私が(ハニャが)オーガナイズした「ピアノ・デイ」というイベントがあったんですけれども、これはちょっとピアノ・エラに似たような、ピアニズムに特化したイベントだっだんですが、そこにスワヴェクを招待しまして、そこで直接お話する機会がありました。

彼、音楽的なところでも私にちょっと似ていますし、実はアップライト・ピアノで彼が2年前にピアノ・エラで弾いていたことを私は知らなかったんですけれども、今でも、いい師匠として捉えています。

Q7 ピアノを始めたきっかけ、出会い、関わり方などを教えてください。

ピアノを始めたのは7歳の時でした。音楽学校に入ったのがきっかけだったんですけれども、私の両親は音楽とは全く関係がない仕事をしていてまして、母親が医者で父親が建築家なんですね。

なので、直接音楽に関わるという仕事というわけではなかったんですけれども、ただ、家の中では、常に音楽が流れていて、歌ったりだとか、演奏したりすることは自然なことでした。

7歳の子供として、実は、みんな子供は音楽をやるもんだと思っていて、音楽学校に両親に連れて行かれた時に、これは当然なことだと思っていますし、自然なことだと思っていました。

音楽学校は小学校からありますので、楽器の演奏だとかソルフェージュだとか、いろんな授業がある中で、それにプラス一般教養っていうんですかね、国語とか算数とか、盛りだくさんな学校でした。

小中高と音楽学校に卒業しまして、大学はワルシャワにあるショパン音楽大学にいって、ポーランドで一番有名な大学なんですけれども、入学しまして、その後ベルリンの大学に入学しました。

ずっとピアノをやっていたんですが、ベルリンの大学を卒業する学生時代が終わるまでは、ずっとクラシックをやっていたので、いまのスタイルに転向したのは数年前から、学校を卒業してからです。

ちょっとこれは、クラッシクの畑から出るということは勇気がいることだったんですけれども、まぁちょっとやってみようということで、現在のようなスタイルをはじめました。

Q8 影響を受けた作曲家ですとか、アーティストを音楽に限らず教えて下さい。

子供の頃から、先程音楽学校に通っていたとお話しましたので、様々なクラシックの楽譜を見る機会はありまして、最初に影響を受けたのはバッハですとか、ドビュッシーですとか、あとショパンのことも、勉強せざるを得ませんけれども、いろんなクラシックの作曲家には、絶対に影響を受けていたと思います。

大人になってから、ドイツでニルス・フラーム(Nils Frahm)に出会い、とても驚きました。私にとっては衝撃的な出会いでした。

彼は、アップライトピアノで演奏していて、最初に出会ったのがその演奏だったんですけれども、こんな演奏があるんだ、と目からウロコが落ちまして、そのコンサートから帰って、自分もマイクを自分の家に持ち込んで、自分の家にあったアップライトピアノで、同じような音が出せないか、というふうに研究をはじめたのが、彼の演奏を聴いてからでした。

今でも、フラウムのコンサート、ライブなんかには足繁く通っていますし、彼の演奏を聴くのはすごく好きで、私に一番大きく影響を私に与えたアーティストだと言えると思います。

Q9 最後に曲(Glass)について紹介していただければと思います。

この作品は、思い入れがある作品で、どういうところにそれがあるかと言うと、雑音が入っているところなんです。

わざと雑音を入れているんですけれども、ピアノを弾いていると、踏んでいるこのペダルの音ですとかが聞こえてくると思います。

これをヘッドフォンで聴いてみると、まるでピアノの中に頭をつっこんで聞いていたり、、おもちゃ工場の中に入って聴いたりしているみたいにパチャパチャ雑音がきこえてくるとか思うんですが、これは最初、録音した時に、「雑音が入っているけれど、これはなかなかいい感じなんじゃないか」というふうに、まわりの人と意見が合致しまして、ミックスの工程で、雑音のところの音量を上げるというふうに決めました。

なので実際には、これらの雑音の音量を上げて、大きく聞こえるようになっています。

ただ、それも作品の中ですごく面白い味を出してくれてますし、こういう思い入れがあって、「Glass」という作品はおすすめです。

ありがとうございました。(ポーランド語であいさつ)

Hania Rani のホームページの文章(英語)を翻訳

調べてみたらホームページあって、そこには英語で何かが書いてあったので、Google先生に訳してもらいました。以下引用と訳。

This is my new album. Its called Esja.

I’m happy to announce the release of my debut album, Esja, on 5th April with Gondwana Records, who have released so many of my favourite artists in the past.

The compositions were born out of a fascination with my principal instrument – the piano – which, on the album, takes form of an upright from my flat. In my own subjective way, I try to reinterpret the capabilities of its sound and harmonies, observing the way in which it resonates within a compact room space and translating, into the language of keys and hammers, the melodies I overheard on the road – most significantly, during my travels to Iceland and the Bieszczady Mountains in south-eastern Poland.

You can pre-order it here.

More about the record:
Esja is her debut solo album and for Rani it is her first, real, personal statement as an artist. “No hiding behind the ‘collaborations’ or ‘projects’ anymore. For the very first time, finally – just me, as I am”. The compositions on Esja were born out of a fascination with the piano as an instrument, and Rani’s desire to interpret its sound and harmonic possibilities in their entirety and in her own way. Recorded at Rani’s apartment in Warsaw (the piano room has a beautiful reverb and the space has become part art studio and part sound laboratory for Rani) and at her friend Bergur Þórisson’s studio in Reykjavik, Esja is a series of beautiful melodic vignettes, inspired by, Berlin, Iceland and the wild mountains in Bieszczady as well as a love of art and architecture. Sensual, sensitive, rhythmic, atmospheric, free but harmonious, beguiling and hypnotic, collectively they project a sense of unlimited space and time.

http://haniarani.com/

 

Google先生に訳してもらったのが以下。

 

4月5日、ゴンドワナレコードとのデビューアルバムEsjaのリリースを発表できることを嬉しく思います。ゴンドワナレコードは、私のお気に入りのアーティストの多くを過去にリリースしました。

作曲は、私の主要な楽器であるピアノへの魅力から生まれました。ピアノは、アルバムでは、私のフラットからアップライトの形を取ります。 私自身の主観的な方法で、私はその音とハーモニーの能力を再解釈し、コンパクトな部屋の空間内で共鳴する方法を観察し、道路で聞いたメロディーをキーとハンマーの言語に翻訳します。重要なのは、アイスランドとポーランド南東部のビェシチャディ山脈への旅行中です。

こちらで事前注文できます 。

レコードの詳細:
Esjaは彼女のデビューソロアルバムであり、Raniにとってはアーティストとしての彼女の最初の本当の個人的な声明です。 「「コラボレーション」や「プロジェクト」に隠れることはもうありません。 初めて、ついに–ちょうど私、私がそうであるように」。 Esjaの楽曲は、ピアノを楽器として魅了し、そのサウンドとハーモニーの可能性を完全に独自の方法で解釈したいというラニの欲求から生まれました。 ワルシャワのラニのアパートで録音され(ピアノルームには美しいリバーブがあり、スペースはラニの一部のアートスタジオであり、一部は音響研究所になっています)、レイキャビクにある友人のベルガーショリソンのスタジオで、Esjaは一連の美しいメロディックビネットで、ベルリン、アイスランド、ビェシチャディの山々、そして芸術と建築への愛。 官能的で、敏感で、リズミカルで、大気的で、自由でありながら調和のとれた、魅力的で催眠術的な、それらは集合的に無限の空間と時間の感覚を投影します。

 

ところどころ意味がわからないところがありますね。「私のフラットからアップライトの形を取ります」とか。

自分でもしっかり翻訳してみようと思います(英検4級ですが)。

彼女のインスタグラムの写真。モノクロでとてもいい。

 

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Last shows of „Esja” Tour will take place in Feb/March 2020. Hope to see you somewhere 🙂 08/02/2020 Baden (CH) OOAM Festival 09/02/2020 Münster (DE) Pianeo 2020 10/02/2020 Bochum (DE) Dampfgebläsehaus of Jahrhunderthalle 13/02/2020 Angers (FR) Musee Jean Lurcat 14/02/2020 Caen (FR) Le Cargö | 15/02/2020 Lille (FR) L’Aéronef 16/02/2020 Niort (FR) Le Moulin Du Roc 18/02/2020 Bonn (DE) Bundeskunsthalle 19/02/2020 Rotterdam (NL ) LantarenVenster 11/03/2020 Szczecin (PL) Philharmonic Hall 14/03/2020 Ventspils (Latvia) ‘Latvija’ Concert Hall More info: haniarani.com/live/ More shows TBA Photo by @damien.niemczal #life #ontour #haniarani #piano #minimal #live #music #girl #bw #photo #mood #travel

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いつか彼女の演奏を生で聴いてみたい。

そのためにはヨーロッパ圏に旅行に行かなければいけないな。せっかくだからイタリアあたり、ピアノが生まれた地やアイルランドとかノルウェーとか北のほう

 

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sunny
サニーのレポートブログ「サニレポ」運営者。調べることが好き。 詳しいプロフィールは → コチラ